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26歳医師の日常

テイカー気質は本当に悪なのか

はじめに

 今回の記事ではよくSNSで見かけるテイカー、ギバーという言葉について自分なりにわかりやすく解釈してみました。提唱したアダム・グラント氏の著書を読めていないので本意とは違った解釈になっているかもしれないのでご理解のほどよろしくお願いします。

 

イカー気質とは

 そもそもテイカー気質についてふわっとした理解だったので改めてググってみました。転職サイトなど多くの記事があり目を通してみたところ、テイカー気質とは自分の利益や欲求を優先する利己的な性格を指すそうです。対義語にギバーとありますが、これは逆に利他的な性格を指すそうですね。その中間にはマッチャーという層もあり、現代社会で生きるためには自分がどの層に属するかを見定め、自分と違う層の人たちとも上手く交流していく必要があると言えるでしょう。

 

イカー・ギバーに対する私見

 ここからは私個人の解釈を語っていきます。テイカー気質、マッチャー気質・ギバー気質については承認されたい・承認したいという感覚の濃淡で分類されるのだと思います。例えばテイカー気質で言うと承認欲求が強く表出しているといった具合です。

 これは子供と大人で置き換えてみるとイメージしやすいと思います。ざっくりした説明にはなりますが、子供は周りの大人に承認されることで成長しアイデンティティを確立して大人になることで逆に承認する側に立つようになる、といった具合です。私の解釈としてはギバー・テイカーというのは人間関係の相対指標であり、人の交流の中でどうしても承認される側と承認する側が生まれると思うのです。

 

イカー気質は悪なのか

 ではネットでよく見るようなテイカー気質は悪い、ギバー気質は良いという論調は正しいのでしょうか。これは間違っていると思います。なぜなら同じ人間でもテイカー・ギバーはコミュニケーションの場面毎に変わるものであり、これらは上下関係では無いと考えているからです。現代では同じ国で生まれ育った同年代でも価値観は多様化し、発達度のばらつきも広がっています。また社会に出てから求められるハードルがインフレしているという説もあるので、社会で人と関わる際に自分が思うその年代の普通を相手に押し付けるのはかなり危険なことだと思います。価値観や能力が急速に多様化しているからこそ、相手に自分が思い描く普通が通用せず人間関係にストレスを感じる人が増えて、ギバー・テイカーとレッテルを貼って溜飲を下げる人が多いのではないのでしょうか。現代社会ではコミュニケーションのストレスによって相手を深く知ろうという意思が摘まれ、さらにストレスが増加するという悪循環が起きているような気がします。もし人類があと一歩歩み寄る意識を持てたらこの社会はもっと生きやすくなるのかもしれないですね。

さいごに

 今回はギバー・テイカーという話題に触れてみました。軽い気持ちで書き始めましたが最終的には社会問題にも触れてしまった気がします。改めてこの多様性の時代に生きるのは難しいなと思いました。最後まで読んでいただきありがとうございます、コメントもどしどし頂けると幸いです。